漢語燈録(善照寺本)


 善照寺蔵の漢語燈録は、善照寺第19世今岡達音上人が大正6年6月(1917年)、集古堂書店にて発見したものである。


 燈録は法然上人から4代目の法孫である道光了恵上人によって集められた元祖上人の遺文集で、漢語は文永11年12月(1274年)、和語は翌文永12年正月(1275年)に完成した。

 元祖上人入滅後62、3年を経て収録されたものである。和語燈録は元亨元年(1321年)道光了恵上人79歳の時に刊行されたが、漢語燈録はこのとき刊行されなかった。

 漢語燈録は正徳5年正月(1715年)義山良照上人による校訂版が知恩院から刊行されるまで専ら書写により伝えられていたと思われる。

 当漢語登録(善照寺本)は、元禄7〜11年(1694〜1698)に浄土真宗大谷派西福寺住持の恵空得岸上人が、漢語燈録の校訂を行っていた義山上人から、大和の三輪本と京都の二尊院本との校合していたものを借り受けて書写したものである。真宗教典志の作者玄智上人もこれを使ったものと思われる。

 義山上人による校訂以前の写本であり古本と呼ばれている。

 


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