仏説 無量寿経 四誓偈
(はじめに) 四誓偈は、『無量寿経』というお経のなかの一節です。 以下、一行目の太字に原文を示します。 がごんちょうせがん ひっしむじょうどう しがんふまんぞく せいふじょうしょうがく (我れ超世の願を建つ 必ず無上道に至らん この願満足せずんば 誓って正覚を成ぜじ) 私、法蔵菩薩は、世にすぐれた四十八の誓いを建てました。 昔むかし、私たちの世俗の知恵では測りきれない《願》をおこした何かがありました。 が お むりょうこう ふ い だいせしゅ ふ さいしょびんぐ せいふじょうしょうがく (我れ無量劫において 大施主となって あまねく諸々の貧苦を救わずんば 誓って正覚を成ぜじ) 私はこの先いつまででも、 その《願》は、ふたつめには、ありとあらゆる恵み・施しを行って がしじょうぶつどう みょうしょうちょうじっぽう くきょうみしょうもん せいふじょうしょうがく (我れ仏道を成ずるに至らば 名声十方に超え 究竟して聞ゆる処なくんば 誓って正覚を成ぜじ) 私が覚りの世界を完成したならば、 その《願》は、みっつめには、世界中のあらゆる存在が自分の名をたたえる、 りよくじんしょうねん じょうえしゅぼんぎょう しぐむじょうどう いしょてんにんし (離欲と深正念と 浄慧との修梵行をもって 無上道を志求して 諸々の天人師とならん) 欲望を離れること、正しく精神統一すること、 この《願》を実現するために願の主は、 じんりきえんだいこう ふしょうむさいど しょうじょさんくみょう こうさいしゅやくなん (神力大光を演べ あまねく無際の土を照らし 三垢のやみを消除して 広く諸々の厄難をすくい) 仏は、はかり知れない力で大いなる光を放ち、 願の主は、《真理》の働きを知っていました。 かいひちえげん めっしこんもうあん へいそくしょあくどう つうだつぜんじゅもん (彼の智慧の眼を開いて この昏盲の闇を滅し 諸々の悪道を閉塞して 善趣の門に通達せしめ) 彼らの智慧の眼を開いて、 そうして《真理》の働きは、迷える人々の眼を開かせて心の迷いを消し去り、 く そじょうまんぞく いようろうじっぽう にちがつしゅうじゅうき てんこうおんぷげん (功祚満足することを成じて 威曜十方に朗らかなり 日月重暉を収め 天光も隠れて現ぜず) 福徳を完全に満たして、 その《真理》の働きは、全世界の誰が見ても絶対的なるものであり、 いしゅかいほうぞう こうせ く どくほう じょうおだいしゅじゅう せっぽうし し く (衆のために法蔵を開いて 広く功徳の宝を施し 常に大衆の中に於いて 説法獅子吼したもう) 衆生のために仏法の蔵を開いて、 その《真理》の働きは、単に絶対的なるのみでなく、 くよういっさいぶつ ぐ そくく どくほん がんねしつじょうまん とくいさんがいおう (一切の仏を供養し 諸々の徳本を具足し 願慧悉く成満して 三界の雄となることを得たまえり) すべての仏に供養し、 その《真理》の働きは、単に利他なるのみでなく、 にょぶつむ げ ち つうだつみふしょう がんがく え りき とうしさいしょうそん (仏の無礙智の如きは 通達して照らしたまわずということなし 願わくは我が功慧の力 この最勝尊に等しからん) 仏の障りのない智慧は、 世界に満ち満ちている《真理》の働きを、願の主は知っておりました。 しがんにゃっこっか だいせんおうかんどう こくうしょてんにん とううちんみょうけ (この願もし尅果せば 大千まさに感動すべし 虚空の諸々の天人 まさに珍妙の華をふらすべし) この誓いが達成したならば、 もしこの《願》が実現して、人に働いたならば、 |